脳【ヒトの脳について】
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このページは脳の情報をいろいろ集めています。 「脳だらけ」遺伝子(nou-darake)(プラナリアの脳形成に関わる遺伝子) フランシス・マジャンディー#ベル・マジャンディーの法則|ベル・マジャンディーの法則参考文献 Werner Kahle、長島聖司・岩堀修明訳『分冊 解剖学アトラスIII』第5版(文光堂、ISBN 4-8306-0026-8、日本語版2003年)外部リンク 狽フ右と左の構造の違...
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ヒトの脳について
発生
複雑な姿をしているヒトの脳も、元はといえば単なる管に過ぎなかった。脊髄や延髄、中脳、橋では中心管は神経管内に余り発達せずに原型をとどめたままであるが、先端部の終脳では、発生の間に中心管は複雑に拡大して広い脳室を形作り、また皮質も複雑に隆起や回転運動を起こしながら変形して、各頭葉が形成される。初期の脳の形成は、中心管の前方が膨らんで形成される、前・中・後脳胞の3脳胞から出発する。このうち先端部の前脳胞は更に前方から「終脳胞」と「間脳胞」とに分かれ、このうち終脳胞が以下のような、顕著な変化を遂げる。;1.上方への隆起
:中心部を除く神経管の左右の天井が上方へ隆起することにより、左右の頭頂葉が作られる。
:この隆起運動の結果、本来の中心管天井部は、左右の半球の奥深くに隠れてしまう(後に脳梁が左右に走行)。
:神経管内の空所は先端部から両脇に伸び上がり、左右「側脳室」(第一・第二脳室)ができる。
:こうして作られた側脳室へ通ずる旧中心管からの通路が「室間孔」となる。
:上方に隆起した終脳胞の左右の壁は、前方へも伸び出し、「前頭葉」と「側脳室前角」がつくられる。
:正中部がそのまま残ることは同様なので、神経管最前端部は、突出した前頭葉の間に「終板」として残る。
:頭頂方向へ隆起した神経組織は更に後方へ伸びながら、元の神経管の側壁を越えて下側へ回り込む。
:このようにして、「後頭葉」と「側頭葉」が作られると共に、「側脳室後角」と「下角」が作られる。
:めざましい終脳の動きに対して、間脳胞は余り変化せず、神経管の原型を維持しつつ、左右大脳半球の基部に位置して、視床・視床下部を作り、中心管は正中面に薄く上下にのみ伸びて第三脳室となる。
解剖
ヒトの脳は頭蓋内腔の大部分を占めている。成年|成人で体重の2%ほどにあたる1.2〜1.6キログラムの質量がある。脳の質量は、男性で女性よりもやや大きく(後述)、体重との相関はない。約140億個の神経細胞を含むがそれは脳をなす細胞の1割程度であり、残りの9割はグリア細胞と呼ばれるものである。グリア細胞は神経細胞に栄養を供給したり、髄鞘を作って伝導速度を上げたりと、さまざまな働きをする。「人間は脳の1割ほどしか有効に使っていない」という俗説があるが、これはグリア細胞の機能がよくわかっていなかった時代に、働いている細胞は神経細胞だけという思い込みから広まったものと言われる。最近では脳の大部分は有効的に活用されており、脳の一部分が破損など何らかの機能的障害となる要因が発生した場合にあまり使われてない部分は代替的または補助的に活用されている可能性があると考えられている。
(水色)、頭頂葉(黄色)、側頭葉(緑色)、後頭葉(赤色)、小脳(紫色)、脳幹(灰色)
脳は、大脳・小脳・脳幹に大きく分けることができる。大脳はさらに終脳(Telencephalon)と間脳(Diencephalon)に、脳幹はさらに中脳・橋 (脳)|橋・延髄に分けられる。この区別は肉眼で見た様子に基づいたものであって、胚発生の上では小脳は脳幹から分かれるものであり、また生命維持機能に強く関わる間脳を脳幹に含める意見もある。脳は、髄膜と呼ばれる3層の膜、すなわち軟膜・クモ膜・硬膜に覆われている。軟膜は脳の実質に密着しているがクモ膜は少し離れており、軟膜との間にクモ膜下腔という空間を残している。クモ膜下腔は脳脊髄液で満たされている。硬膜は大脳鎌・小脳テントなどの突出と、硬膜静脈洞を作る部分のほかは頭蓋の内面に密着して内張りとなっている。硬膜とクモ膜はほぼ密着している。
大脳
大脳(Cerebrum)とは、厳密には終脳と間脳を合わせた呼称だが、神経解剖学以外の分野ではほぼ例外なく、終脳のみを指す言葉として使われている。この項でも特に断らない限り、大脳と言えば終脳を指す。終脳は左右の大脳半球(終脳半球)からなる。それらを隔てるのは大脳縦隔と呼ばれる深い溝であり、脳梁と透明中隔でつながるほかは完全に左右が分かれている。大脳半球の表面には、大脳溝(だいのうこう、Cerebral sulci)と呼ばれる溝が走り、その間に細長い大脳回(だいのうかい、Cerebral gyrus)を作っている。脳溝は俗に「脳のしわ」と言われるが、脳の成長にしたがって無造作にしわが寄るのではなく、どこにどのような脳溝ができるかは、深さ、曲がり方に多少の個人差があるものの完全に決まっており、すべての脳溝に解剖学上の名前(Nomina anatomica)が与えられている。脳溝と脳回の形は左右の半球でほぼ対称であり、特に目立つ脳溝は終脳の解剖学における方向の表現|外側で吻側端から尾側のあたりまで走るシルビウス裂と、頭頂部の(吻側寄りでも尾側寄りでもなく)中ほどで背側端からシルビウス裂まで走る中心溝である。シルビウス裂よりも腹側、したがって脳全体から見ればもっとも外側の部分を側頭葉、中心溝よりも吻側を前頭葉、中心溝よりも尾側でシルビウス裂の終わるあたりまでを頭頂葉、その尾側を後頭葉と呼ぶ。後頭葉は終脳のもっとも尾側にあり、頭頂葉との境界は明瞭でない。シルビウス裂をこじ開けると、側頭葉の陰に隠れていた、島と呼ばれる部分が見える。島の表面はほかの部分と違って脳溝ではなく細かいしわがたくさん入っている。左右の大脳半球はそれぞれ側脳室と呼ばれる腔を含んでいる。側脳室はモンロー孔で第三脳室と連絡して脳室系をなす。脳室系は脳の廃液である脳脊髄液でみたされ、脳脊髄液が排出される経路となっている。広義の大脳から出る脳神経は、終脳から出る嗅神経と、間脳から出る視神経である。大脳の断面では白質と灰白質が明瞭に区別される。終脳の灰白質は表面近くに面積で2,000cm2〜2,500cm2、厚さ2〜3mm理化学研究所 脳科学総合研究センター編 ブルーバックス『脳研究の最前線 上』 第一版 (講談社ISBN 978-4-06-257570-6、2007年10月20日)の層をなしており、大脳皮質(だいのうひしつ、Cerebral cortex)と呼ばれる。大脳皮質は灰白質の例に漏れず神経細胞の細胞体が集まった部分であり、その大部分は6層構造をなし、複雑な回路を含んで思考などの中枢とされる。大脳皮質に対して白質を大脳髄質と呼ぶこともあるが、白質と呼ばれることのほうがはるかに多い。その理由の一端をなすのが大脳基底核である。大脳基底核は単に大脳核とも呼ばれ、側脳室の腹側あたりで髄質の中にある神経細胞の集まりである。2つ合わせて線条体と呼ばれる、尾状核・被殻などを含むが、あいまいな概念であって、間脳の一部である視床や淡蒼球を含むか含まないかは意見が一致しない。側頭葉の深部には扁桃体がある。扁桃体は恐怖心を構成していることが知られている。間脳は視床と視床下部からなる。視床は、大脳皮質や下位の脳・脊髄との連絡が多く、感覚の中継、運動制御など多彩な機能に関わる。視床下部は、身体の恒常性(ホメオスタシス)を保つ働き、自律神経系の制御、感情などに関与している。
小脳
小脳は脳幹の解剖学における方向の表現|背側にある。上小脳脚・中小脳脚・下小脳脚という線維の太い束で脳幹につながっている。これら3つは肉眼レベルで絡み合っており、それぞれに含まれる線維をきれいに分けることは非常に難しい。小脳は正中の小脳虫部(しょうのうちゅうぶ、Vermis)、左右の小脳半球(Cerebellar hemispheres)、尾側の小脳扁桃に分けられる。小脳半球の表面は、大脳半球に脳溝と脳回があるように、小脳溝と小脳回をもつが、これらは脳溝・脳回よりもかなり細かく、変異も多い。小脳半球の断面も大脳半球と同様、小脳皮質(Cerebellar cortex)が灰白質で小脳髄質が白質である。小脳皮質は表面側から分子層、プルキンエ細胞層、顆粒層の3層構造を持ち、約1mmぐらいの厚さである。皮質が厚く、髄質が木の枝のように見えることから、小脳半球断面の様子をArbor vitae(生命の木、小脳活樹)と呼ぶ。
脳幹
脳幹(=brain stem)は解剖学における方向の表現|上で大脳と、背側で小脳と、尾側で脊髄とつながっている。吻側から順に中脳(Midbrain)、橋 (脳)|橋、延髄に分けられる。小脳と脳幹に挟まれた空間は第四脳室となっている。
循環
脳の質量は体重の2%程度だが、血液の循環量は心拍出量の15%、酸素の消費量は全身の20%、グルコース(ブドウ糖)の消費量は全身の25%と、いずれも質量に対して非常に多い。このことは脳で起こる複雑かつ活発な電気信号の行き来に由来する。そうした需要は内頸動脈と椎骨動脈からの血流でまかなわれる。内頸動脈と椎骨動脈はそれぞれ大小の枝を出して脳の各所を栄養し、ウィリスの動脈輪と呼ばれる環状の吻合を作って互いに連絡している。このため内頸動脈に血流障害が起こっても椎骨動脈からの血流が脳の全体に行き渡るが、ウィリスの動脈輪が細い人ではその代償があまり期待できない。脳に分布する静脈は、特に太い部分では動脈に伴走しておらず、硬膜静脈洞に集まる。硬膜静脈洞の静脈血は内頸静脈へ流出する。また、リンパ液に相当する廃液は脳脊髄液として脳室系の脈絡叢から産生され、クモ膜下腔を流れて最後にはクモ膜顆粒から、または脊柱管の静脈叢から静脈血に吸収される。
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